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道産素材とクックエブリオから
野菜もおいしく食べられる
スイーツ誕生!
カフェ・スイーツ
洋菓子店
オーブ・ル・クール 様
(北海道・札幌市)
オーナーパティシエ 林 重暁 さん
野菜を使った「ベジスイーツ」が人気のオーブ・ル・クール。幅広い世代の人が食べられるスイーツを、という願いからヘルシーな素材を使用しています。野菜も小麦粉もできるだけ道産のものにこだわり、甘さは控えめ。オーナーパティシエのアイデアとセンスが光るベジスイーツ用野菜の下ごしらえやタルト台、プリンなどにクックエブリオが活用されています。
野菜を使った"ベジスイーツ"が人気だそうですね。
はい。道内の契約農家から仕入れた野菜と100%道産の小麦粉を使ったオリジナルケーキを作っています。甘味料は控えめにして素材本来の甘みを出して作ることでお子さんからお年寄りまで、いろいろな年代の方に味わっていただけたら、と思っています。
ケーキに野菜を使おうと思ったきっかけは?
以前勤めていたところがベジスイーツ専門店だったんです。甘さ控えめでヘルシーだから、独立してからも作りたいなと思っていました。でも、中には普通のケーキを求めてお店に来るお客様もいたので、「ケーキ屋」としてはオーソドックスなケーキも必要だな、と思いました。そこでこの店では7割を普通のケーキ、3割ほどをベジスイーツにしています。使う野菜も、道産ならなんでもいいというわけではありません。やはりケーキに使うとなると「甘さ」が出せる野菜でないとおいしいスイーツにならないので、素材は厳しく吟味しますね。農家さんからサンプルを送ってもらい、試食してその野菜本来の甘さが商品に使えるかどうかを判断しています。
ベジスイーツにスチコンをどのように活用されていますか?
「ゆり根のホワイトロール」に入れるゆり根をふかすのにスチコンを使っています。ロールケーキやパウンドケーキの生地に混ぜるにんじんやさつまいもを蒸すのもスチコンで。うちの看板商品、士別産のまさかりカボチャを使った「カボチャモンブラン」は、ペーストを作るのにも土台を焼くのにも使いますよ。このカボチャの鮮やかなオレンジ色と特長的な強い甘みをスチコンが引き出してくれています。スチームしたアスパラをチーズケーキに練り込んで作る「アスパラのチーズタルト」は期間限定商品の中で特に好評でした。スチコンを使ったらアスパラの甘みときれいな緑色がうまく出たんです。お客様にも人気だったし、テレビ番組でも紹介していただきましたよ。
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ショーケースには可愛らしい、柔らかな雰囲気のスイーツが常時30種類ほど並ぶ。
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高校生の時からケーキ作りを始めた林さん。若くしてパティシエ歴14年というキャリアを持つ。
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ステップ調理で簡単になめらかな食感のプリンができるクックエブリオに「これからもよろしく、長いつきあいで(笑)」と林さん。
焼き菓子はほとんどスチコンを使われる、とお聞きしましたが?
ええ。モンブランやタルトの土台、クッキーやパウンドケーキなどに使っています。焼きムラが少ないので、焼き菓子を多く扱ううちの店にとってスチコンは頼れる存在ですよ。焼き上がりもとてもいいですね。例えばパウンドケーキは蒸気量40%のコンビモードで焼きますが、僕の感覚では“蒸し焼き”のよう。ケーキの中に空気が入る感じでふっくら仕上がるんですね。それから火の入り方が早いのがいいですね。パウンドケーキはオーブンだと表面から焼いているからでしょうか、焦げやすいんですね。途中で扉を開けて見たり、常に焼き色のことを気にしていなければいけませんが、スチコンならそんな必要はありません。庫内の様子も確認しやすいから安心して他の作業に取りかかれます。
他にはどのように使っていますか?
プリンにはステップ調理を活用しています。うちのプリンは生地の配合上、とろっとした状態で提供したいので、低温で加熱した後に温度を上げて火を通します。温度設定は今までの経験から結構早い段階で決まったんですが、時間設定は何度か試しましたね。プリンの絶妙なとろとろ感を出すには、焼く時間が肝になるので。設定が決まってからは、僕以外のスタッフもスイッチひとつで作れるようになってすごく助かっています。オーブンで作っていた頃は、お湯を溜めた重い鍋を持ち上げたり、焼けたかどうかをいちいちプリン容器を振って確認していました。それを思うと、スチコンにしてからは手間も労力もずいぶん省けたと思います。
オーブンと比べてクックエブリオの立ち上がりはいかがですか?
オーブンはいつも180℃に設定しているんですが、その温度になるまでに30分くらいかかるんです。でもスチコンならたったの数分で同じ温度まで上がる。この差は大きいですね。おかげで仕事がスムーズに進められます。クックエブリオは1日フルに使っていますよ。朝出勤したらすぐ電源を入れて、まずタルトを焼いて、次はプリン、そして焼き菓子、というふうに休む暇なしで働いてくれています。
今後は、どんな風に使っていきたいですか?
スチコンを活用して焼き菓子の種類をもっと増やしたいです。それから、ベジスイーツに新しい野菜を使ってみたいですね。夏場に市場に出てくるにんじんやパプリカは、今サンプルを取り寄せて試作中です。バリエーションをどんどん増やして、幅広い年齢層の方に愛されるお店にしていきたいと思っています。
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昼間は子ども連れの女性、夕方は学生や会社帰りのOL、サラリーマンたちの目を楽しませているスイーツたち。
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強い甘みが特長の士別産まさかりカボチャを丁寧にペースト状にした「カボチャモンブラン」(320円・写真左)は人気No.1。
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「2段階調理ができる、蒸気量が調節できる、目を離していても大丈夫、火の入りが早いこと」が林さんのクックエブリオお気に入りポイント。
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パウンドケーキからクッキーまで、バラエティー豊かな焼き菓子のほとんどをスチコンで焼いている。
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開発中の新作ケーキはチョコレートを使ったモンブラン。「ケーキの味もデザインもイメージしたものはまず作ってみる」のが林さん流。
取材日記
店名の由来は、林さんのお名前の「暁」を意味するフランス語の「オーブ」と「心、幸せ」などを意味する「ル・クール」を合わせたものだとか。ショーケースに並ぶスイーツはどれも見ているだけで幸せな気分になる柔らかなデザイン。食べてみるとやさしく上品な甘みが口いっぱいに広がって、さらに幸せ感がアップしました。