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スチコンレシピ

1233 Recipe

疾患別展開食のポイント

食事による疾病治療も病院食の役割。患者さんの病状にあわせた栄養のコントロールも必要となります。
ここでは、常食をベースに6つの疾患別の展開例を紹介します。

常 食

  1. 主菜:二身揚げ
  2. 副菜:まぐろの角煮
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:白飯
  5. その他:カットパイン

献立の特徴

油で揚げずに調理することで、病院食の献立に揚げ物を取り入れています。スープには良質なたんぱく質と脂質に富んだ豆乳を使用しました。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

糖尿病

  1. 主菜:二身揚げ
  2. 副菜:まぐろの角煮
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:白飯
  5. その他:カットパイン

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

通常、適正なエネルギー、栄養バランスのよい食事を基本とします。ビタミンやミネラルが不足しないように注意が必要です。

変更内容

今回の「二身揚げメニュー」はレシピを変更せずに糖尿病食として提供できます。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

脂質異常症/心疾患

  1. 主菜:二身揚げ変更

    〈脂質異常症で心疾患の場合〉
    豚ひき肉を魚のすり身に変更

  2. 副菜:まぐろの角煮を外す変更
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:白飯
  5. その他:カットパイン

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

低エネルギー、低脂肪、低塩、高食物繊維を基本とします。良質なたんぱく質を中心にして、植物油や魚類から脂質を摂るようにしましょう。

変更内容

心疾患で、血中コレステロールや遊離脂肪酸が高い場合は、飽和脂肪酸を控える必要があるので、「二身揚げ」の豚ひき肉を魚のすり身に変えてください。

「まぐろの角煮」は塩分が高いため、献立から外します。食物繊維を十分に摂るため、茹でた枝豆やカボチャを加えてもよいでしょう。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

閉塞性肺疾患

  1. 主菜:二身揚げ変更

    こんにゃくを豚ひき肉に変更

  2. 副菜:まぐろの角煮
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:白飯
  5. その他:カットパイン

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

エネルギー代謝量が通常の1.2〜1.4倍になるため、たんぱく質は十分(70g以上/日)摂取し、また間食や補食を利用してエネルギー補給につとめましょう。

変更内容

「二身揚げ」のこんにゃくはエネルギー量をあげるため、豚ひき肉に変更します。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

胃疾患

  1. 主菜:二身揚げ変更

    こんにゃくを豆腐に変更

  2. 副菜:まぐろの角煮を外す 変更
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:軟飯 変更
  5. その他:機能性ヨーグルト 変更

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

胃内停滞時間が長い食品、繊維が多い食品、香辛料などの刺激物の使用は控えます。また味付けは薄味とし、極端に熱いものや冷たいものも避けましょう。

変更内容

「白飯」を消化のよい「軟飯」に変更します。

「二身揚げ」のこんにゃくは消化を考慮して豆腐に変更します。

味の濃い「まぐろの角煮」を献立から外します。または「まぐろの霜降り」に変更してもよいでしょう。

「カットパイン」は繊維が多いので「機能性ヨーグルト」に変更します。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

肝臓疾患

  1. 主菜:二身揚げ 変更

    こんにゃくを豆腐に変更

  2. 副菜:まぐろの角煮
  3. 汁物:ニンジン豆乳ポタージュ
  4. 主食:白飯
  5. その他:カットパイン
  6. その他:高たんぱく飲料を追加 変更

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

高たんぱく、高ビタミン、適正なエネルギーを基本とします。エネルギー過多にならない食品を選び、良質なたんぱく質を十分に摂取しましょう。

変更内容

「二身揚げ」のこんにゃくを良質なたんぱく質を含んだ豆腐に変更します。

「高たんぱく飲料」を加え、たんぱく質摂取量を増やします。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

腎臓疾患

  1. 主菜:二身揚げ変更

    衣に使用する油量を増やす

  2. 副菜:まぐろの角煮を外す 変更
  3. 汁物:ニンジンクリームポタージュ 変更

    豆乳を生クリームに変更

  4. 主食:低たんぱくご飯 変更
  5. その他:缶詰パイン+
    エネルギー強化食品
    変更

展開のポイント&変更内容

展開のポイント

たんぱく質制限時は、特に必要エネルギーの充足が重要となります。低たんぱく高エネルギーに調整された治療用特殊食品も積極的に利用しましょう。

変更内容

「白飯」を「低たんぱくご飯」に変更します。

「二身揚げ」はエネルギー量をあげるため、衣に使用する油量を増やします。

「ニンジン豆乳ポタージュ」はたんぱく質を減らしてエネルギー量をあげるため、生クリームに変更します。

塩分、たんぱく質を減らすため「まぐろの角煮」を献立から外します。

「カットパイン」は、カリウムを減らしてエネルギー量をあげるため、缶詰パインとエネルギー強化食品に変更します。

※献立は参考例です。展開食献立は医師の「食事箋」に基づいて作成してください。

監  修:朝日大学歯学部 医学博士 管理栄養士 芳本 信子
参考文献:「臨床栄養学実習-栄養食事アセスメントとケアプラン-[第4版]」(芳本信子編、学建書院、2018)

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