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スチコンレシピ

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作業効率アップのその先に
見た目もおいしい
「おもてなし」を目指して。

病院・老健

病院
くまもと乳腺・胃腸外科病院 様
(熊本・熊本市)
栄養士 平野 奈美 さん

乳がんや胃腸系がんなどの外科治療と化学療法を専門とする「くまもと乳腺・胃腸外科病院」。2011年1月に2つの病院が統合し、新病院として開業しました。院内に屋上庭園やカフェテリア、ラウンジを設けるなど、リラックスして療養できる空間づくりにも力を入れ、温かく思いやりのある医療が実践されています。そして、クックエブリオが入院患者の方々の療養を支える、毎日の食事づくりに活用されています。

専門病院ということで一般の病院食と異なる部分はありますか?

抗がん剤を使って化学療法を行っている患者さんの中には、普通のお食事だと味やニオイを気にされる方が多いので、そういった点に配慮した献立を提供しています。また、胃腸外科の入院患者さんには個々の状況にあわせて、野菜をやわらかくする、揚げ物は調理法を工夫するなど、胃腸への負担が少なくなるように気を配っていますね。

そのような献立でスチコンが役立っている点は?

野菜の下茹でにスチコンのスチームモードを活用しています。以前は、お鍋でボイルしていましたが、野菜はゆがくと、どうしても栄養素が流れ出てしまうんですよね。スチコンで蒸すと、その心配がないので栄養価的にもいいと思います。また、お湯を沸かす必要も、お湯の入ったお鍋を動かすこともなくなって作業的にも楽になりました。それだけでなく野菜もおいしくなりましたね。蒸すと甘みが出るので、素材の味を生かせるんです。

新しい施設からスチコンを使い始めたそうですね。

はい、導入してまだ半年くらいですね。なので、今のところは、これまでの調理作業をスチコンでの作業に移していくという使い方がメインになっています。以前の厨房にはスチコンがなかったのですが、スタッフの中には使ったことがある人もいて、スチコンがあればいろいろなことができると聞いていたんです。新病院の建設にあたって厨房機器もすべて新しくすることになり、機器を検討した結果、スチコンも導入しました。厨房自体も調理室、下処理室、洗浄室と作業別に部屋を分けたので、作業環境が大きく変わりましたね。前は、料理ごとに調理を担当していましたが、厨房のレイアウトが変わってからは、下処理、調理、盛り付けという感じで作業を分担するようになりました。以前のやり方だと、たとえばスチコンを使いたいと思っても別の人が使っていたら、その調理が終わるまで待たないといけないですよね。今は複数のメニューを調理する場合でも、担当は一人だからやりくりもしやすくなりました。最初は、スチコンにも新しい厨房にも戸惑いましたが、慣れてからは作業効率がよくなったと感じています。それに作業室が別々だと衛生面でも安心ですしね。

野菜を茹でる作業は、お鍋からスチコンのスチームモードに移行。作業負担も減ったという。

動線を考え、コンパクトにまとめられた厨房。

下処理室。左手前の冷蔵庫はパススルータイプで、入れた食材は隣の厨房から取り出せるしくみ。奥の部屋は洗浄室。

スチコン導入の目的は?

これは目的のひとつになりますが、見た目にもおいしい料理を提供するためですね。この病院では、患者さんに安心して快適に過ごしていただくために「おもてなし(ホスピタリティ)」をとても大切にしています。院内には、女性向けのスペースとしてカフェテリアが、男性向けにはラウンジが設けられていて、ほとんどの患者さんは病室ではなく、そこでお食事をされています。カフェテリアは照明がオレンジだったり、壁に大きな絵が飾ってあったりして、街のカフェのようなおしゃれなスペースなんです。だから、そういう場所にあったお食事を提供したいな…と。見た目がおいしそうな方が食欲も出ますし、女性は特に喜ばれると思うので。今までやっていた作業をスチコンに任せることで、空いた手と時間を使っていろいろと手の込んだこともしていきたいですね。

具体的に提供されたメニューを教えてください。

冬場に「水炊き」を作ったことがありますね。春菊と白菜をスチームしたものを巻き寿司っぽく巻いて切って、スチームをかけたエビと鯛と一緒にお出汁であわせて一人鍋のような感じで出しました。飾り切りしたニンジンを加えたりして、見た目も華やかでしたよ。さすがにあつあつのお鍋のようにはできませんでしたが、病院でお鍋はあんまり出さないと思うので、よかったと思います。

各モードは、どのように活用されていますか?

先にお話した野菜の下茹でなどでスチームモードを、お魚やお肉の焼き調理にはメニューによってホットエアーモードとコンビモードを使い分けています。以前はオーブンを使って焼いていたんですが、やはり焼き具合に差が出ますね。魚の塩焼きなんかも短時間できれいに焼けて、魚の臭みもない気がします。焼き調理でいえば、コンビモードで焼いた後にホットエアーモードを使って焼き色をつけるといった使い方もしています。スチコンの設定については、調理をした人が記録として残して、みんなで情報を共有するかたちをとっています。

今後、どのように使っていこうと考えていますか?

ゆくゆくはオリジナルメニューの開発をして、献立をもっと充実させていきたいなと思っています。今は時間がとれなくて、なかなか開発ができないのですが、これまでできなかったメニューもスチコンならできるかなーといろいろ考えたりもしています。それから、入院患者さんの7〜8割が女性ということもあるので、デザートのバリエーションも増やしたいですね。一度、スチコンで蒸しパンを作ったときには、きれいに割れて、ふっくらしっとりと仕上がりました。次は、ケーキやアップルパイ、クッキーなんかも焼いてみたいですね。病院で過ごされる患者さんに喜んでいただけるメニューを、スチコンを活用して提供できればと思っています。

クックエブリオが初めてのスチコンという平野さん。

クックエブリオで焼いた「魚のもろみ焼き」。焼き縮みも少なく、焼き色がしっかりついている。

「温かいものを温かいうちに」盛り付けられた料理は、すぐそばの温冷配膳車へ入れられる。

取材日の昼食。「魚のもろみ焼き」のほか、「南瓜のかにあんかけ」にもクックエブリオを利用している。

取材日記

お話を伺っていて興味深かったのは、「カフェテリア」や「ラウンジ」の存在。入院すると食事は病室で食べるものと思っていただけに、ちょっとした驚きでもありました。この場所は食事場所だけでなく、患者さん同士のコミュニケーションのスペースとしても機能しているそうです。患者さんがお見えになる場所ということでお伺いするのは控え、写真だけを拝見しました。本当に街なかのカフェや広い書斎のようなとても落ち着くスペースで、患者さんが少しでもリラックスして療養できるようにという、病院のコンセプトが感じられました。

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