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スチコンレシピ

1201 Recipe

08

もてなしの心が生み出す
自然"美"と"味"づくりを
サポート。

和食

日本料理
味吉兆 ぶんぶ庵 様
(大阪・中央区)
社長 中谷 隆亮 さん
料理主任 花島 弘 さん

※味吉兆の「吉」は、正しくは「土」に「口」です。

高級料亭として知られる吉兆の創業者湯木貞一さんから指名を受け、先代中谷文雄さんが継承した「味吉兆」。平成15年から二代目中谷隆亮さんが暖簾を引き継ぎ、平成22年に「味吉兆 ぶんぶ庵」をオープン。地下空間にありながら自然豊かな庭があり、心尽くしの料理とサービスでゆったりと贅沢なひとときを楽しめるお店です。創業以来受け継がれてきた“もてなしの心”が生み出す料理の数々にクックエブリオが活用されています。

お店のこだわりについて教えてください。

中谷さん 私の父である先代は料理人でありながら、「お客様に喜んでもらおうと思うと、料理の“おいしい”という力はせいぜい3割ほどの力しかない。あとの7割はサービスが占めている」と断言していました。料理さえ美味しければいいのでなく、「文武両道」のように、店の雰囲気やスタッフのサービスも重要だと。その父の言葉を大切にし、“もてなしの心”に重きを置いています。料理については、厳選された素材を仕入れ、薄味で、あまり奇をてらわずにストレートな料理を出す、という日本料理の基本的なあり方を守るよう心掛けています。

花島さん 私は素材の持ち味を壊さず、見た目も香りも味もお客様に喜んでいただけるものを作りたいです。自分の中だけで満足せず、「よりよいものを目指す」という気持ちを常に持って調理しています。

クックエブリオのメリットはどういうところですか。

花島さん 調理を任せっきりにできるので、その間に、他に手や目をかけたいことを、例えば盛りつける器を温めたり、味の確認をするなど、落ち着いてできるようになりました。“気持ちの余裕”をクックエブリオからもらっていますね。

中谷さん 一度に大量の調理や温めができること、温度設定が簡単なことがいいですね。以前は蒸し器やオーブンを使っていたのですが、例えば、蒸し器だとスチームが安定しないんですね。その点、スチコンは温度も設定できるし、スチームも安定している。だから、火加減が難しいといわれる茶碗蒸しの大量調理などでも非常に助かっています。

花島さん 私も「湯葉ご飯」でスチームのありがたさを実感しました。鍋で温めるとずっとかき混ぜていないと鍋のふちと底にくっついてしまうし、表面が乾いて口当たりも悪くなりました。ところが、クックエブリオのスチームで保温すると焦げつかないので便利です。仕上がりも美しく食感も良いので、自信をもってお客様に提供できますね。

2台積んでのご使用ですが、実際にどのようにお使いですか。

中谷さん 昼も夜もコースでお出しするので、厨房では仕込みとお客様への提供を同時にしなければなりません。2台あると、1台で再加熱している時に、もう1台で厚焼き卵や鴨ロースが作れる。団体の予約が入っても2台を同じように使えば大量に作れますから、大きなスチコン1台よりも、コンパクトなものが2台あるほうが小回りがきくと思います。

花島さん 1台をオーブン、もう1台は蒸し器という状態でよく使っています。蒸し器として使用する時は、“蒸す温度”と“保温する温度”に分けていますね。蒸し上げた後に“蒸す温度”にしたままだと温度が高いため、「す」が入ってしまうんです。なので、低温に変えて次のお客様が来られてもすぐ蒸せるよう、スタンバイ状態にしておきます。また、出来上がりの状態で保温できるのもいいですね。

文武両道の「“武”(料理技術)を磨くだけでは不十分」と、“文”にあたるサービスも重視している二代目中谷社長。

卵豆腐を繊細な口当たりに仕上げるためにかけていた目と手と時間を、スチコン導入後は他の作業にも当てられるように。

提供する時間のずれをうまく利用できるのも2台あるからこそ。「調理時間の長いものは休憩時間中に仕込むこともある」と花島さん。

スチコンで保温すると「す」ができず、いつでも美しい状態でお客様に提供できるという「卵豆腐」。

クックエブリオ導入効果が顕著に現れたメニューは何ですか。

花島さん 「厚焼き卵吉兆風」です。低温で長時間焼いて仕上げるので、以前のガスオーブンで作っていた頃は微調整が大変でした。消えそうなくらいガスの火を小さくして、吹きこぼれないように扉を少し開けて熱を逃がしていたんですが、少しの誤差でつぶれたり吹きこぼれてしまう、とてもデリケートな料理なんです。

中谷さん だから当時は扉に箸をはさんでミリ単位ですき間を調整していたんですよ。それに、火の当たり方にムラがあったので10〜30分に1回は生地が入った箱の向きを変えなきゃいけなかった。今は焼きムラもなくなり、そういう手間もかからないから、作業効率がぐんと良くなりました。導入してからは特に「しっとりしていて美味しい」という声をいただくことが増えました。

ぶんぶ庵さんの"もてなしの心"について教えてください。

中谷さん お客様のご要望を聞くのもサービスのうちと考えていますので、食事量やアレルギーと好き嫌いの有無、お集まりになる趣旨など、できるだけ細かくお聞きして、献立の演出方法を決めるようにしています。せっかく来ていただくのですから、美味しい食事だけでなく、その時間や雰囲気、気分も楽しんでいってもらいたいんです。たとえば、料理や器で表現された季節感、庭の四季の移ろいを見ることでも会話が弾むと思います。そういうシーンを提供することも、もてなしのひとつと考えているので、自然樹木や苔、自然石で設えた庭を作り、座敷からは雪見障子を通して植栽が見えるという工夫を凝らしています。

今後どのようにクックエブリオを使っていきたいですか。

花島さん 蒸し器で作っている合鴨ロースをスチコンで、それから焼きプリンなどのデザートも作ってみたいですね。きっちんぷらすのレシピ集も参考にして、いろいろなことにチャレンジしたいと思います。今は、「鱈の白子豆腐」を試作しています。形状に少し工夫をしていることもあってか、蒸し器だと固まるところと固まらないところがありますが、スチコンで作ると均等に火が通るので、イメージ通りのものが完成しそうです。

中谷さん 白子は高い温度で加熱するとパサパサした口当たりになってしまう。低温でじっくり火を通すことによって白子の美味しさをより実感していただける料理ができるんです。スチコンを使って調理するのがぴったりなメニューだと思いますよ。

低温で長時間かかる調理に特に役立っているというクックエブリオ。調理スタッフ6名全員が使いこなせるそうだ。

スチコンを1日中使っている花島さんは「お客様に“喜んでいただけるもの”を提供するのにとても役立っています」と言う。

ひさしや縁側があり、閉塞感を感じさせない個室。雪見障子を開けると四季折々の植栽が目を楽しませてくれる。

路地の敷石はひとつとして同じ形のない自然のままの姿の阿蘇石が敷きつめられ、丁寧に打ち水されている。

取材日記

「献立にはストーリーがあるんです」と取材後の雑談で、中谷社長が温和な表情で語ってくれました。コース料理の内容だけでなく、席へ着くまでのアプローチにもすべて物語がある。そのひとつひとつをお客様に楽しんでもらうための準備と工夫は、小さなことでも決して怠ってはいけないと、社長自らも植栽の手入れをし、スタッフの教育にも力を入れているぶんぶ庵。取材に伺った日は折しも月に1度のスタッフ会議の日で真剣な話し合いが行われていました。

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