きっちんぷらす
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Vol.30 「客席での会計」に積極的に対応する?

「レジでの会計」を行なっている店でも、お客が「客席での会計」を望むケースがある。「レジでの会計」と決まっている店では、「客席での会計」には対応しない方がよいのだろうか。それとも、「客席での会計」にも積極的に対応した方がよいのだろうか。

vol30
積極的に対応するべきor積極的に対応しなくてよい

 飲食店の会計の仕方は、お客様にレジまで伝票を持ってきてもらってお金のやりとりをする「レジでの会計」と、スタッフが客席まで伝票を持っていってお金を受け取り、お釣があれば客席まで持っていく「客席での会計」(テーブルチェック)がある。どちらかと言えば、日本の飲食店では「レジでの会計」が一般的で、特にランチや定食などの食事業態の店では、多くが「レジでの会計」だ(券売機を導入する店も増えているが…)。
しかし、最近は居酒屋業態などを中心に、「客席での会計」にしている店が目立ってきた。いま東京でブームのバールやワイン酒場なども「客席での会計」を行なっているケースが多い。何となく「客席での会計」の方が、いまっぽい感じになってきている。チェーン居酒屋などでは、いまもレジでの会計が一般的なので、チェーン店との違いを出すために「客席での会計」を行なうという考えもあるだろう。
そうした中で、「客席での会計」に慣れたお客も増えてきた。通常は「レジでの会計」にしている店も、「客席での会計」を望んでいそうなお客様がいたら、積極的に対応した方がよいだろう。「客席での会計」を望んでいるお客様に対して、「お会計はレジでお願いします」と杓子定規な対応をすると、「融通がきかない店」という印象を与えてしまう。
飲食店のサービス強化として、「お会計が肝心」という考え方がある。どういうことかというと、お客様は会計の時に多かれ少なかれ、店の評価をする。そのため、会計時の対応には特に気をつけなければならないのだ。その対応の良し悪しが、「この店は高いな」「安いな」という印象にも影響を及ぼすと考えておいた方がよい。その意味でも、「客席での会計」に柔軟に対応することが必要だと言える。
他にも「客席での会計」には、こんなメリットがある。会計係が他の仕事ですぐに対応できず、レジの前でお客様を立たせたまま待たせるとイライラさせてしまう場合が多いが、客席で待たせるならそれを少し緩和できる。このメリットもあるから「客席での会計」に切り換えている店が多いのだ。
店の規模が大きい場合などは、「客席での会計」を行なうとスタッフがかえって大変になるケースもあるので一概にどちらが良いとは言えないが、こうした傾向があることは知っておいた方がよいだろう。


サービス向上の一環でテーブルチェックを促進

 都心の繁華街にある和食居酒屋K店は、大きなビジネス街が控えている立地のため、ビジネスマンの利用が多い。以前から、テーブルチェックを導入していたが、お客様はレジ会計とカン違いすることが多かった。その理由は、K店が「和食系の店であること」「一般的な居酒屋であること」「テーブルチェックを行なっていることをPOPなどで説明していないこと」などが理由であった。
そこで、テーブルチェックがお客様へのサービスの一環であるということをスタッフにも再度徹底した上で、入口・卓上にテーブルチェックを行なっていることを説明する表示を設けた。さらに、「よろしければテーブルチェックも承っています」という接客の声がけも心掛けるようにした。
それによっていまでは、サービス向上の一環としてテーブルチェックがお客様に浸透している。

「客席会計」に柔軟に対応

「客席での会計」を行なう店が増えてきた。通常は「レジでの会計」の店も、「客席での会計」を望んでいるお客がいたら、積極的に対応した方がよいだろう。「お会計はレジでお願いします」という杓子定規な対応は、「融通がきかない店」という印象を与える恐れがある。

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