Vol.29 女性限定のサービスやメニューの効果は?
「女性限定のデザートサービス」や「レディースランチ」など、女性限定のサービスやメニューは以前から行なわれてきた集客戦略だ。しかし、一時期に比べると、女性限定のサービスやメニューを導入する店が減っているように思われる。もう効果がないのだろうか。
この1〜2年で「女子会」については導入店が急増したが、一方で、「女性限定のデザートサービス」や「レディースランチ」は、以前ほどの勢いがない。もう効果がなくなってしまったのだろうか…と感じてしまう。
しかし、決してそんなことはない。やり方次第で効果はある。問題はそのやり方だ。
例えば、「女性限定のデザートサービス」を行なっていても、そのデザートの内容が女性客を大喜びさせるレベルではない店が多い。女性客はデザートに対する期待値が高いのに、「サービスだから、これぐらいでいいだろう」という発想では喜んでもらうことができないのだ。結果としてあまり集客に結びつかず、デザートサービスをやめてしまうことになる。
逆に、「サービスなのに、こんなステキなデザートが!」と女性客を大喜びさせている店もある。それだけ魅力的なデザートにするには原価や手間がかかるが、それ以上に集客効果を発揮する話題のデザートサービスにしているのだ。
また、「レディースランチ」にしても、やはり内容に問題があるケースが多い。女性客は多品種の料理がセットになっているメニューを好む。そこで、多品種の料理をセットにした「レディースランチ」が目立った。しかし、単に料理の数が増えただけで、一つ一つの料理がさほど魅力的ではない…そんな「レディースランチ」のために、女性客を満足させることができなかったのだ。いまも集客力を発揮している「レディースランチ」は、一つ一つの料理をブラッシュアップしながら多品種の魅力を強化している。
『よろずや食堂』でも、このように、いまも効果を発揮しているやり方をヒントにし、「女性限定のデザートサービス」や「レディースランチ」のやり方を検討するべきだ。
女性限定割引に男性客が不満。新サービスで成功
地方の主要駅前にある洋風ダイニングN店は、女性限定サービスとして毎日5%割引を実施していた。しかし、この女性割引に対して男性客から不満の声が。「なぜ女性だけ割引くのか」と言われたのだ。女性限定の割引に関しては、男性客からの不満に配慮することも必要なのである。
そこで、女性限定の割引を中止。金額割引をやめて、違うサービスで女性客の心を掴むやり方に変更した。トイレに油取り紙や綿棒などを置くサービス、一口デザートのサービス、女性に人気のトレンドメニューの導入などを、きめ細かく強化していった。これにより金額割引をしなくても女性客からの支持が拡大している。
女性限定サービスの魅力UP
以前は多くの店が導入していた「女性限定のデザートサービス」や「レディースランチ」が、いまは下火になってきた印象がある。しかし、やり方次第で、これらの女性限定サービスは効果を発揮する。魅力をパワーアップした形で、女性限定サービスを工夫したい。