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Vol.14 「急な休み」を前提にシフトの人員確保?

アルバイトが多い店などでは、スタッフの「急な休み」が悩みのタネになっているケースが少なくない。急に休まれると、人手が足らずに現場が混乱するので、「急な休みがある」ことを前提に、シフトの人員を確保しておいた方がよいのだろうか。

vol14
前提にする必要があるor前提にする必要はない

 毎日の開業前に、店長やスタッフリーダーがあらかじめ準備することはたくさんある。シフトのチェック、日替わりメニューの作成、予約の準備など、毎日、ぬかりなく進めることが必要だ。
その中でもシフト管理は特に重要である。
何人のスタッフがシフトに入っていて、どのポジションに配置するのか、誰と誰を組み合わせるかなど、シフトの管理によって、店のサービスレベルは大きく左右される。
ただし、この日常的なシフト管理においては、緊急事態が起こる。中でも、どの店でも悩みのタネなのがスタッフの突然の欠勤だ。スタッフに突然、休まれると、その対応は大変である。
基本的には、「当日の急な欠勤はしないように」と普段から指導を徹底しておくことが大事だが、それでも急病などで休むのはどうしようもない。アルバイトスタッフは、病気ではなくても、学校関係の急な用事などで休むことも結構ある。
そうした「急な休み」が多いと、シフト管理者としては、それを前提に余分に人員を確保しておくことも考えてしまうが、それでは人件費がムダに上がってしまうことにもつながる。スタッフの「急な休み」を前提に、シフトの人員を確保するというのは現実的ではない。
必要なのは、こうした緊急事態に対応する特別なルールだ。後に紹介する事例の「一斉メールの活用」は、その一例である。
また、飲食店における緊急事態は、スタッフの急な休みだけでなく、大荒れの天気、お客様の怪我、食材の発注ミスなど色々ある。
そうした様々な緊急事態に備える「対策マニュアル」「緊急連絡先一覧」「対応組織図」「訓練」などを、日ごろから作成・実施しておくことが、とても重要だ。スタッフの「急な休み」も、そうしたあらかじめの準備が必要な緊急事態の一つなのである。
そうした準備ができていれば、『よろずや食堂』の矢野さんの突然の欠勤のケースでも、代わりのスタッフを探す対応だけでなく、「今日、矢野さんが急病で来れません。厨房のスタッフにもホールを手伝ってもらいます」といった緊急対応のフォーメーションがスムーズに行なえるようになる。
また、こうした緊急時に対応できるのは、チームワークがあってのことだ。
急遽、代わりのスタッフに働いてもらうにしても、非常時のフォーメーションを組むにしても、それが上手くいくかどうかは、やはり常日頃のチームワークにかかっている。このことも、しっかりと認識しておきたい。


携帯電話の「一斉メール」活用で緊急時に対応

 都心の雑貨ビル3階にある居酒屋M店は、30坪の中規模の店だ。シフト人数は、平日5名、週末6〜7名だが、スタッフは学生が多いこともあって、時期によっては突然休むスタッフが少なからずいる。
そこで、この緊急時に対応するために活用しているのが、携帯電話のメール。スタッフの急な休みがあった場合は、他のスタッフ全員に代わりに出てくれる人がいないか、一斉にメールを送り、出勤可能な人を探すというルールを作っている。あらかじめ、このルールをスタッフにしっかりと説明していることもあって上手くいっており、非常に効果的な仕組みとなっている。

緊急時に対応するルールを

アルバイトなどの「急な休み」が多いからといって、それを前提にシフトの人員を確保することは、人件費がムダに上がってしまうので現実的ではない。大事なのは、緊急事態に対応する特別なルールの準備や、緊急時に対応できる常日頃からのチームワークだ。

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