きっちんぷらす
スチコンレシピ 1201 recipe

岐阜発「コシヒカリ 黄金の煌き」日本の原風景の中で実る“ふるさと”味のお米

つやつやもちもちのお米「黄金の煌き」

コシヒカリは全国で栽培されているお米の約4割を占める人気の高い品種。ふっくらとしつつも少し固めの食感が日本人の好みに合っているようです。「黄金の煌き」は米・食味分析鑑定コンクールで2年連続金賞を受賞した、その“おいしさ”を特に認められたコシヒカリ。奥飛騨の厳しい自然環境の中で、きれいな水と空気、そして地域のエコセンターと共同開発した有機肥料とで育てるお米は、ただおいしいだけで話題になっているのではありません。都市部と“田舎”の橋渡し役であり、耕作放棄地の再生などにも一役買っている、農業の“希望の煌き”を未来につなげるコシヒカリなのです。

黄金の煌めき
「黄金の煌き」
5kg 3,350円(税込・送料別)
お米(コシヒカリ)を使ったレシピはこちら


自然相手に「命を守る」建設業から自然と共に「命を育てる」農業へ。

和仁農園の母体は主に防災工事を請け負っている建設会社。農業を始めたきっかけをお聞きすると、高齢化により地域に耕作放棄地が急激に増えている状況を見て「このままでは日本の田舎がなくなってしまう」「自分のふるさとを守りたい!」という気持ちが第一にあった、と建設会社社長でもある和仁さんは言います。そして、公共事業の受注が減る中、自社の雇用を守らなければいけないという使命感が重なり、今からおよそ10年前に農業への参入を決めたそうです。
実際に始めてみると、苦労と失敗の連続。農業に関しては「ずぶの素人」なんだから失敗して当たり前、と考え「これがダメならこうしてみよう」と日々研究と改善を繰り返してきました。“教科書”は「日本農業新聞」。毎号隅から隅まで読み、ほとんどの農業の知識を独学で身につけたそうです。しかし、農業は自然相手。いくら知識があっても、天候不順や長雨など、年ごとに自然のコンディションは変わり、人間の力ではどうにもならないことが多くあります。だから、被害を受けにくい時期に田植えをする、などリスクを理解した上での計画を立て、土木業で培った安全管理の方法や建設スケジュールの立て方を農業に活用しながら、おいしい米を育てるための“良い農地”づくりに取り組んでいます。農地は、土の質や水の質、日当たりなどの地理的な条件以外に、田植えの時期や水管理の仕方、収穫の時期などでも良し悪しが決まるそうで、和仁農園では人間の都合で農地を調整するのでなく、水田の状況や稲の特性など自然の状態に合わせて人間が動くというスタイルをとっています。
和仁農園のポリシーは「常に研究」。ずっと続けていく自然の営みだから、その時その時に合わせて研究を重ねていくことで、いざというときの対処法の幅が広がる、まさに“危機管理能力”に長けた農業スタイルです。


和仁農園の農園事業と農産物は年々広く知れ渡り、
今では地域の農業を牽引する存在に。


土木業で使用する重機は、農業でも役立つ。
厳しい冬の時期には高齢者宅の雪かきに重機と
スタッフを派遣し、地元に貢献している。


耕作放棄地の再生事業では建設重機が大活躍。
水田に向かない土地については、作物の提供先まで
考えて土地の所有者などと協議を重ねていく。



奥飛騨エコセンターと共同開発した有機たい肥
「ほたるよこい」。ネーミングに“ふるさとの自然
を守りたい”という願いがこめられている。


さまざまな環境下で試験的に育苗栽培を行い、
もっとも良い状態のものを田植えに使用する。


和仁農園の事務所前には育苗試験用の水田があり、
日光温室とLEDを活用した
育苗の育成比較などをして研究を重ねている。

すべては、嘘偽りなく「おいしいお米」をつくるために。

和仁農園では、「本当においしいお米を食べてほしい」という願いから、食味を豊かにするための独自農法を実践しています。食味に影響するのは主に3つの要素。1つめは「収量」です。コシヒカリは10a(アール)あたり460kg以内が食味にとってベストの収量といわれています。収量が多いと米の味が落ちるので、和仁農園では毎年約430kgに保っています。2つめは「出穂時期」。稲の穂が出てくる時期に寒暖差が激しいほど、米の食味は増すそうです。和仁農園のある上宝町付近は9月10日前後に最低温度が10℃程度まで下がるので、その時期に稲の穂が出るように逆算して田植えの時期を決めています。3つめは「水管理」。水田の水量の調節次第で米の食味は良くも悪くも変わります。良い食味にするために、水田のコンディションに合わせて水管理専門のスタッフが時には真夜中の2時、3時でも水を止めに行ったり、出しに行ったりするそうです。
そしてさらに、食味を良くするためにこだわっているのが肥料です。和仁農園では、化学肥料や農薬を極力少なくし、高山市の施設である「奥飛騨エコセンター」と独自に共同開発した有機肥料を使用しています。これは奥飛騨温泉郷の旅館などから出た生ゴミ、地元の豆腐屋のおから、畜ふん、米ぬかなどを混ぜてたい肥にしたもの。「農業」と「環境」と「地域」、それぞれに全力で貢献したい、というモットーを掲げて、地元の温泉街や商店と農業をつなぎ、循環型農業を実践しています。これは「食の安全」を確保することと、環境に負担をかけないこと、米作りにおいてこの2つの目的を果たす農法の構築に力を注いできた和仁農園の独自農法で、「新エコロジー農法」と呼んでいます。
奥飛騨の澄んだ水が流れる川や水路には、夏になるとゲンジボタルが集まってきます。何百匹ものホタルが舞い飛ぶ様子は、まさに幻想的な世界。昔の日本ではどこでも見られた風景も今では見られる場所が少なくなっています。だからこそ「この奥飛騨の自然を守るための農業をこれからも続けていく」と和仁さんは力強く語ってくれました。排水路に消毒液や農薬が混入すればホタルたちも来なくなってしまう。それも和仁農園の水田で除草剤以外の農薬を使わない理由のひとつです。


農業で“癒し”を、農産物で“活力”を提供していきたい。

和仁農園で作られたお米は、奥飛騨温泉郷の旅館をはじめ、東京の高級焼き鳥店、ホテル、個人宅など全国各地へ“嫁いで”いますが、和仁さんは、「世界に誇れる日本の伝統や技術を支えている企業の社員食堂でも黄金の煌きを食べてほしい」と言います。米は日本人の主食であり、大切なエネルギー源です。朝食や昼食においしいごはんを食べると、元気が出て、その後の仕事にも精が出る。和仁さん自身と社員全員の実感を、日本や地域、家族のために働いている人たちに伝えたいという思いは大きいようです。
また、奥飛騨の緑豊かな自然を守るための「新エコロジー農法」への取り組みをひとつのきっかけに、地域と都市部のコミュニケーションを活発にしたい、と考え、さまざまなアイデアを具現化している和仁農園。そのひとつに「田んぼふれあい制度」があります。農業は、太陽や土、水など自然そのものと接する仕事。和仁さん自身もその仕事で心が癒されていることから、「都会の人にも自然を肌で感じて癒されてほしい」と、田植えや稲刈りが体験できる農業イベントを開催しています。その他にも地域の小学校、中学校と共同で環境調査を行ったり、農業体験学習やエコツーリズムを実施したり、地域とともに自然環境を守る活動を積極的に行っています。おいしいお米ができる場所は、土の質、日照条件、水温などで限定されますが、和仁農園では賞を獲得したお米とまったく同じ品質のものをすべての農地から収穫することを目指しています。農作業を体験してもらうのも、同じ農地。これは「偽りのない農法」と「お米の価格」を正しく理解してもらうためでもある、と和仁さんは言います。
塩をかけただけでもおいしく、冷めてもおにぎりにすると、さらにもちもちしてまた違う食感が味わえる“黄金の煌き”。「ごはんは一品料理」という考えから、お客様に面と向かって「料理」を出す料理人のような気持ちでお米を作り、届けたい、という強い思いがあります。だからこそ米作りに妥協は一切許しません。自分に厳しくあり続けることで、周りの人たちに「やさしさ」や「安心」を届ける。その理念は、奥飛騨の自然と重ね合わせられるほど、愛にあふれ、寛大です。


現在130枚以上もある水田の田植えは、
エリアごとに徹底したスケジュール管理のもと
行われる。


「田んぼふれあい制度」では、普段乗ることの
できないトラクターなどに乗って子どもたちに
楽しんでもらうのもひとつの目的。


「田んぼふれあい制度」での収穫の様子。
「子どもも大人も目をキラキラ輝かせて
収穫しているのが印象的」と和仁さん。


※掲載の内容は、2010年9月現在のものです。