きっちんぷらす
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Vol.6 予約はとれるだけとった方がよいか

「予約で満席」。この言葉だけを聞くと、店としては好調に集客できたということになる。しかし、当然、利用客の中には、予約なしで来店するケースもある。予約で満席となれば、予約なしで来店したお客の利用を断らなければならない。予約はとれるだけとった方がよいのだろうか。

Vol6
とれるだけとるor制限を設けることを検討

 「本日は予約は打ち切りました」。
信じがたい話だが、こんな電話の対応をする店があった。「打ち切る」などお店の都合でしかない言葉だ。こんなことを言われたら、まずお客様は2度と利用しないだろう。
仮に予約でいっぱいでも、予約の電話をそのまま切るのではもったいない。そのままお客様を逃してはならない。予約の電話は、営業の格好の場面でもあるのだ。
予約の電話をいただいたことに最大の感謝をし、予約がいっぱいであることをお詫びする。混んでいる曜日時間を知らせて、何日前ぐらいに予約で埋まるのかを説明する。店長が対応し、お名前を聞く。来週なら空いていると別の日をおすすめすることもできる。最後に、今度は私店長にご用命ください、何とか予約をとりますと伝える。以上のようなやりとりで、また予約をいただけるようになる。対応の違いで、大きな差が生まれるのだ。
ただし、予約がいっぱいとれるようになっても、もう一つの問題が生じる。それが『よろずや食堂』のケースで、どれだけ予約をとってよいのかということだ。当然、予約なしの利用客も大切なお客様である。予約なしのお客様を「予約でいっぱいです」と帰してしまうような場面が増えるのは問題だ。
そこで、予約のとり方を考えなければならない。ポイントは2つある。
どれだけの割合で予約をとるか。どういうふうにスライドさせて予約をとるか。この2つである。
まず、予約なしのお客様は、新規のケースが多い。長い目でみれば、新規客を集客し損ねると客数減につながるので、この点を考えた上で、どれくらいの割合で予約をとるのかを考える必要がある。新規客や一見客が少ない場合などは9割程度までとることもできるだろう。逆に一見客が多い場合はその割合はかなり低くなるだろう。
もう一つは、予約時間をスライドさせて、いかに効率よく予約をとるかということである。例えば、19時から20時が予約で満席の場合を考えてみよう。
この中に、20時スタートのお客様もいたとする。20時からスタートのお客様の場合は、19時45分にセッティングが終わっていればよい。だから、18時からの予約であれば、90分は利用してもらうことができる。時間制限があることを伝えながら、18時からの予約をおすすめすることもできるだろう。
『よろずや食堂』においても、これらの点を踏まえ、予約のとり方のルールを決める必要がある。


対応の仕方を工夫した予約のとり方の成功事例

 都心にあるダインニングM店は、週末は予約でいっぱいになる。そのため2つの問題があった。忙しい時間に電話が多いことと、予約いっぱいで利用を断っていることだ。
そこで、予約の電話がかかってくる忙しい時間に、予約対応の上手なスタッフを配置することにした。このスタッフが、忙しい時間でも、予約の電話対応に専念できるようにみんなでフォロー。同時に予約対応のスタッフは、トークや会話の内容をさらにトレーニングして、その日に予約がとれなくても別の日で予約をとったり、予約をとれなかったお客様も名簿を作成して次の利用につなげるようにした。
これによって、予約客を逃さず、集客力を高めることに成功。予約のとり方における成功事例だ。

予約のとり方にルールを!

予約して来店してくれるお客様も、予約なしで来店するお客様も、大切なお客様。予約なしで来店したお客様に、「予約でいっぱいです」と利用を断るのは、できるだけ避けたい。自店はどれくらいの割合で予約をとるのがよいのか。よく検討し、ルール化しておくことが大切。

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