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【北海道発】茶路めん羊牧場の羊肉 湧き出るような豊かな旨み のびのび育った羊たちのすこやか極上肉

茶路めん羊牧場の羊肉

フレンチやイタリアンなど、世界中の料理に使用されている羊肉。脂肪の燃焼を促す「カルニチン」が多く含まれることから、日本では健康食としても注目されています。しかし国内に流通するのはほぼ海外産で、国産は1%以下。そんな貴重な日本育ちの羊肉を北海道白糠町でつくり、新鮮な状態で販売しているのが「茶路めん羊牧場」です。屠殺翌日から1週間以内での解体・出荷を心がけ、高い鮮度のまま発送。香り高くて旨みの深い味わいが、全国各地のレストランで評判を集めています。

【北海道発】茶路めん羊牧場の羊肉

ラムラック・ブロック1kg 8,221円
(1ブロックおよそ2〜3kg)(税・送料別) ※贈答用、内臓、出汁取り用骨などの他、
1頭オーナー制度もあります。

「羊肉」を使ったレシピはこちら


白糠の牧草地だから生まれるおいしさとは?

釧路市内から30分ほど車を走らせると、目の前にいちだんと開けた牧草地が現れました。羊たちがのどかに草を食べている風景は、まさに牧歌的という言葉がぴったり。白糠町は牧草が豊富で夏は涼しく、羊の飼育に適した環境です。国内に流通する羊肉がほとんど海外産という中、白糠町の国産羊肉は貴重な存在といえます。しかも味にクセがなく、豊かな香りと強い旨みを持つため、質を追求するシェフたちから注文が絶えません。そのおいしさの秘訣を牧場主の武藤浩史さんにお聞きしたところ、「“こうすればおいしくなる”というような、分かりやすい方法はありません」と意外な答えが返ってきました。

土・草・羊の連携が引き出す健康的な味わい

「日頃から心がけているのは、羊の健康を手助けすること。そのために管理放牧をおこなっています」と話す武藤さん。管理放牧とは、土・草・羊の連携を人がコントロールする技術のこと。茶路めん羊牧場では春から秋にかけて羊たちを放牧しています。牧草地を移動させることで草地を効率的に利用し、栄養価の高い牧草を維持するため。そして何よりも、羊たちにできるだけストレスをかけず、のびのびと育てるためです。さらに、肉生産用の羊には可能なかぎり道産原料を使った自家配合飼料を与えており、茶路めん羊牧場ならではの濃厚な旨みを生み出しています。

国内で飼育されている羊の約半数が北海道育ちとされている。年間生産量は約116トン(※2014年時点)。茶路めん羊牧場はそのうちの約10トンを担っている。
国内で飼育されている羊の約半数が北海道育ちとされている。年間生産量は約116トン(※2014年時点)。茶路めん羊牧場はそのうちの約10トンを担っている。

育成中の子羊や、肥育する羊には、自家配合飼料を与えて足りない栄養分を補給。飼料は可能なかぎり国産の原料を使い、遺伝子組み換え作物は排除している。子羊に与える粉ミルクも羊専用だ。 育成中の子羊や、肥育する羊には、自家配合飼料を与えて足りない栄養分を補給。飼料は可能なかぎり国産の原料を使い、遺伝子組み換え作物は排除している。子羊に与える粉ミルクも羊専用だ。


刈り取った羊毛はフリースに、毛皮はムートンとして販売。汚れのひどい部分は手作業で一つひとつキレイにしていく。
刈り取った羊毛はフリースに、毛皮はムートンとして販売。汚れのひどい部分は手作業で一つひとつキレイにしていく。

「クオーレ」の漆崎シェフは白糠町出身。羊を使用したオリジナルメニューでは地元の魚介や野菜も使い、多彩な料理を手がける。
「クオーレ」の漆崎シェフは白糠町出身。羊を使用したオリジナルメニューでは地元の魚介や野菜も使い、多彩な料理を手がける。

鮮度を保つ確かな技術が凝縮された旨みをキープする

茶路めん羊牧場のもう一つのこだわりが、新鮮な生肉の状態で届けることです。鮮度の高いものがなかなか市場に出回らない中、茶路めん羊牧場の羊肉が重宝される理由がここにあります。特筆すべきは、出荷に至るまでのスピードです。屠殺翌日に枝肉を引き取り、内臓もきっちり下処理。その後はお客様のオーダーに合わせて、1週間も経たず出荷されてしまいます。この迅速な加工・出荷工程があるからこそ鮮度が維持され、旨みがギュッと凝縮された羊肉が全国各地に届けられるのです。

羊飼いを目指したきっかけは「五感を刺激される体験」だった

北海道の畜産大学に通っていたとき、初めて羊肉を口にして「五感を強烈に刺激された」という武藤さん。すぐさま羊に魅了されて“羊飼い”になることを決意。カナダで飼育方法を学び、1987年、35頭の羊たちとともに白糠町へ入植しました。その後、全国の羊好きの方々と次々にネットワークを結び、いまではサフォーク種、ポールドーセット種とそれらの雑種からなる約800頭を飼育する国内有数の羊牧場に。さらには「新鮮な羊料理を味わう機会を増やしたい」と、「ファームレストラン クオーレ」もオープンしました。道内はもとより関東や関西から足を運ぶ方も多く、牧場も羊肉の供給が追いつかないほどの盛況ぶりです。


羊飼いのネットワークを少しずつでも広げていきたい

茶路めん羊牧場の取り組みは大きな注目を集めていますが、いまだ日本では羊肉がメジャーな食材とは言えません。特に国産は、プロを相手にする精肉店でも取り扱いが少ないのが現状です。それでも武藤さんは「需要は必ずあります」ときっぱり。お付き合いのある100軒以上のレストランをはじめ、子羊の毛皮を使うクラフター、牧場の堆肥を使う菜園まで…。羊は人の衣食住に広く関わる重要な動物です。「どんなに小さな存在だとしても、必要とする方はいます。そのネットワークを少しずつでも広げていきたいですね」。羊好きの輪を広げようと奮闘する武藤さんに共感し、賛同する人たちはさまざまな業界で増えてきています。

世間のイメージを“おいしいお肉”に変えることが目標

現在新たに取り組んでいるチャレンジは、北海道・道内生産者・ニュージーランド共同の生産性向上プロジェクトです。国内需要の獲得はもちろん、海外市場の開拓も視野に入れつつ、種畜供給体制や寄生虫対策の確立などを進めて生産の安定化を目指しています。北海道ブランドを広めていくことで「においがある、食べづらいといったイメージを“おいしい”に変える」。そして「羊肉を家庭の食卓で楽しんでもらうこと」が最終目標です。生涯をかけても叶わないかもしれない、と穏やかに笑う武藤さんでしたが、その表情の中に、メラメラと燃える羊飼いの情熱を見た気がします。

紀元前8000年頃に家畜化されて以来、人間の生活と深く関わってきた羊。「生きるために大切な命をいただいている。無駄にしないよう、羊の魅力をすべて楽しんでもらいたい」と武藤さんは話す。
紀元前8000年頃に家畜化されて以来、人間の生活と深く関わってきた羊。「生きるために大切な命をいただいている。無駄にしないよう、羊の魅力をすべて楽しんでもらいたい」と武藤さんは話す。

サクッとした食感の後、口いっぱいに旨みが広がる「子羊のカツレツ」(2200円・税抜)。「子羊のアロスト 季節の野菜添え」(2800円・税抜)は、ローストされて風味が最大限に引き出されたラム肉と、香り高い野菜が相性抜群だった。
サクッとした食感の後、口いっぱいに旨みが広がる「子羊のカツレツ」(2200円・税抜)。「子羊のアロスト 季節の野菜添え」(2800円・税抜)は、ローストされて風味が最大限に引き出されたラム肉と、香り高い野菜が相性抜群だった。


※掲載の内容は、2018年8月現在のものです。