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Vol.27 アルバイトの欠勤を防ぐには特別報酬?

アルバイトスタッフの急な欠勤は店にとって頭の痛い問題。病気などは仕方ないにしても、無責任に休まれるのは困る。何か用事があっても、できる限り仕事を優先するという気持ちを持って欲しいところだ。そのためには皆勤賞などの特別報酬が必要なのだろうか。

vol27
特別報酬を出すor特別報酬は必要ない

 アルバイトスタッフの欠勤を減らすことは、なかなか簡単ではない。中には休みグセがついてしまうスタッフもいる。「いま自店には、そんなスタッフはいない」という店でも、アルバイトスタッフの欠勤を防ぐための対策を考えておいた方がいい。
スタッフが休むのには、こんな理由がある。「用事よりも仕事を優先するだけのモチベーションがない、やる気が出ない」、「オンとオフの区別ができない」などだ。これを改善していくには、まず以下の2つの取り組みが大切になる。

(1)キャスティングを行なう
(2)キャリアプランを設ける

 (1)のキャスティングとは、各スタッフに対して、店での役割を与えること。演劇などでの配役的な意味でこの言葉を使っている。役割を明確にするのと同時に、その役割をどう演じて欲しいのかを伝えるのだ。それによってアルバイトも自分の役割が分かる。店からの期待も伝わる。必要なスタッフと認められることで、簡単には休まなくなる。
(2)のキャリアプランも、社員だけでなくアルバイトにも効果的だ。同じ働くなら、単にお金のためだけに働くのではなく、一定の勤務期間中に習得したい技術などの目標を設定し、その達成をサポートするような指導を行なう。途中で習得状況を確認しながら進めることで、仕事へのモチベーションを維持するのだ。
また、こうした取り組みと並行して、“飴”を与えることも有効的な方法である。その中の一つが、「皆勤賞」のような形で、無欠勤のスタッフに特別報酬を与えるやり方。「お金で解決するのか?」という疑問の声も聞こえてきそうだが、そんなに否定的に考える必要はない。元々、欠勤のないスタッフにとっても、特別報酬があるのは単純に嬉しい。特別報酬を出せば新たな経費はかかるが、スタッフのモチベーションアップにつながる効果も大きいのだ。
また、皆勤賞は、1ヵ月や3ヵ月単位で設定する方法以外に、稼ぎ時の夏休みや年末年始の一定期間に設けるやり方もある。「7月中旬から8月は当店の一番の稼ぎ時です。7月15日から8月31日まで皆勤賞のアルバイトスタッフには、皆勤賞として5,000円支給します(ただし期間中20日以上出勤のスタッフに限ります)」といった形でアルバイトスタッフに告知するのである。
学生などのアルバイトスタッフは、夏になると遊びや旅行の機会が増える。未然に欠勤を防ぐために、特に夏場はこうした対策が大切になる。
『よろずや食堂』でも、特別報酬などの導入を検討してみるべきだろう。


アルバイト用の「ミニキャリアプラン」が効果

 大都市の繁華街にある大衆居酒屋W店は大型店で、いろいろなタイプのアルバイトがいる。それもあって管理が行き届かず、アルバイトの勤労態度などに問題が生じていた。
そこで、アルバイトスタッフ用の「ミニキャリアプラン」を導入。ミニキャリアプランは以下の3つだ。
「技術習得コース」(調理やドリンク知識習得などの研修実施や配置)、「時給アップ優先コース」(多めのシフト配置、職務基準クリアなどを条件に3ヵ月に1度、時給アップの機会を設ける)、「ゆとりコース」(シフトに余裕を持ち、私生活の目標を考慮した仕事環境をつくる)である。
これにより、様々なタイプのアルバイトを上手く活用できるようになり、結果的に欠勤が減ることにもつながっている。

特別報酬で欠勤を防ぐ

アルバイトスタッフの欠勤を防ぐ方法として、「皆勤賞」のような形で、無欠勤のスタッフに特別報酬を与えるやり方がある。元々、欠勤のないスタッフにとっても、特別報酬があるのは嬉しいもの。経費はかかるが、スタッフのモチベーションアップにつながる。

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