きっちんぷらす
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Vol.18 ラストオーダー後に来店客。どうする?

ラストオーダー後にお客が来店…。これは飲食店でよくあることだ。ラストオーダーとともに店頭看板の照明を消していても、「ムリを言えば、何とか利用できるのではないか…」と考えて入店してくるお客も少なくない。どう対応すればよいだろうか。

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ラストオーダー後の来店、利用してもらうor利用を断る

 最近は、不況で店をはしごするお客様が減っているとは言え、年末年始シーズンは二軒目、三軒目を探して夜遅くまで飲もうとするお客様も増える。ラストオーダー後にお客様が来店…というケースが増える時期なので、その対応法をいま一度、考えておいた方がよいだろう。
まず、お客様の立場で考えれば、ラストオーダー後の来店であっても、快く利用をOKしてくれると非常に好印象だ。スタッフが「閉店まで20分しかなく、ドリンクだけの注文となりますが、それでもよろしければ、ぜひご利用ください」と笑顔で応対すれば、「よかった。ありがとう。1杯だけでもビールが飲みたかったんだ…」といった感謝の言葉をもらえるかもしれない。
その点では、「利用してもらう」という選択は、店のファンを増やす応対だ。
ただし、この応対を常に上手くこなせる店は、そう多くないかもしれない。ラストオーダー後の入店を許可し始めると、その分、片付けの時間が遅くなってしまいがちだ。スタッフの不満につながりやすい。
また、店内のお客様にラストオーダーを確認したのに、新規のお客様だけ特別扱いで注文を受けていると、まわりのお客様に対してあまり印象がよくない。そうしたデメリットを、スタッフの団結力や接客力できちんとカバーできない店は、やめておいた方がよい。つまり、ここでは一般論として、「利用を断る」が正しい選択になる。
もちろん、より積極的なサービス強化を目指す店は、「利用してもらう」にチャレンジしてもよい。また、「利用を断る」場合も、「お詫び券」(次回利用時にドリンク一杯サービス等)を渡すなどのフォローが大事だ。
ラストオーダー後に来店したお客様も、自店を選んでくれたお客様であることには違いない。何の愛想もなく、「もう、ラストオーダーは終わりました…」と言い放つ悪印象の応対だけはしないよう、くれぐれも注意したい。


「利用してもらう」対応を上手に実践して成功!

 繁華街にある居酒屋K店では、大きな繁華街にあるため、閉店間際までお客様の来店が続いていた。以前は、ラストオーダーを厳格に守り、多くのお客様を帰していた。しかしながらK店は不景気の煽りもあり、売上が減少。特に夜遅くのお客様が激減していた。
同店は、そんな状況を改善するため、ラストオーダーは閉店30分前だが、営業時間内であれば何時でも入店OKとした。ただし、ラストオーダー終了後だと、提供ができない料理がある。例えば、揚げ物は、いったん油の火を落として清掃にとりかかってしまうと、再度準備をするのが難しい。
そこで、ラストオーダー後のお客様には店長の判断で提供できる商品を伝え、入店いただくようにした。この対応はとても喜ばれ、結果的にラストオーダー少し前のお客様も増加。場所柄、ちょっと時間をつぶしたいお客様や、小腹が空いたというお客様に大好評で、売上アップにも貢献。この店は、ラストオーダー後も「利用してもらう」積極策を選択した成功例だ。

ラストオーダー後の対応は要検討

ラストオーダー後の来店客の入店を許可すると、片付けが遅れるなどの問題が生じるため、基本的には「利用を断る」でよい。しかし、ファンを増やす積極策にチャレンジするなら、「利用してもらう」という応対法にもチャレンジしたい。

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