きっちんぷらす
スチコンレシピ 1201 recipe

Vol.17 お客が料理を残した。その理由を聞くか?

お客が料理を残したら、「何か不満があったのではないか?」と、当然ながらその理由が気になる。では、お客が料理を残した場合に、その理由を聞いた方がよいのだろうか。それとも、理由を聞くと、返答に困るお客もいるので、聞かない方がよいのだろうか。

vol17
お客が料理を残した理由を聞いた方がよいor聞かない方がよい

 お客様が料理を残した際、その理由を聞くべきかどうかは悩むところだ。「お口にあいませんでしたか?」と聞くと、お客様が返答に困り、気まずい雰囲気になることがある。そんな経験をすると、理由を聞いたらそのお客様に二度と利用してもらえない…と不安になり、聞けなくなるケースが多い。そのため、黙ってやりすごすという対応をしてしまう。
しかし、結論から言えば、それでも「聞いた方がよい」のである。料理を残したお客様、特に残した量が多いお客様というのは、何かしら料理に大きな不満を感じた可能性がある。その理由を聞こうが、聞かまいが、結局、二度と利用してもらえないケースが多いからだ。黙っていてはお容様の不満は解消できない。だったら、勇気を出して理由を聞き、もう一度、利用してもらえるチャンスを作る方が得策なのだ。
大事なのはその聞き方である。まず、お客様に理由を聞くのは、店長クラス、あるいは接客力のあるスタッフが行うべきである。名誉挽回の難しい接客になるので、それにふさわしい力量が必要なのだ。同時に、漠然とした質問ではお客様の本音は引き出せない。細かくポイントを絞ってたずねることも大切だ。
例えば、会計時などに、「お客様、料理を残されたようですが、お口に合いませんでしたか?」と聞いた際、すぐに理由を答えてもらえない場合は、「お客様の貴重なご意見をもとに改善させていただきますので…」など、お客様が理由を話しやすいトークをプラスする。さらに、「味が濃かったですか」「辛すぎましたか」など、具体的に問題になりそうな点をあげて、お客様が答えやすくするのだ。また、お客様が理由を答えてくれた場合は、お詫びとお礼の言葉とともに次回利用できるサービス券などを渡したい。料理を残した理由が明らかに店の落ち度である場合は、代金をいただかない対応も必要だ。
これだけやっても、また利用してもらえるかどうかは分からないが、真摯な姿勢がきちんと伝われば、「もう一度、利用してみようかな」と思ってくれるお客様もいるはずだ。
そして、もう1点、対策を考えてもらいたいことがある。それは、お客様の都合、すなわち単に注文を多くしすぎてしまって残してしまうケースだ。食料廃棄が問題になっているいま、この食べ残し対策も大事なのである。少量ポーションの用意、接客での分量の説明、持ち帰り希望のお客様への対応(持ち帰り可能にする場合は消費期限などを必ず伝える)などの取り組みを考えたい。


特典付きのアンケートを活用して“不満”を発見

 都心主要駅にある和食居酒屋O店は、料理の量が多いせいか、しばしばお客様の食べ残しがある。ときどきは、「お口に合いませんでしたか」と聞くことがあったが、多くの場合は聞くこともなく、原因不明のままのことが多かった。
そこで導入したのが2種類のアンケート。サービス編と料理編だ。ある程度、料理を提供し終わった時点でスタッフが2種類のアンケートをお持ちする。それぞれには特典があり、サービス編に答えると、その日のオーダーからワンドリンク無料、料理編ではデザートもしくはしめの1品をプレゼントする。この特典もあって、ほとんどのお客様が回答。特典のコストはかかるが、それ以上にお客様の声を集める効果が大きく、料理の不満も発見可能に。特典の好印象が再来店にもつながっている。

「もう一度」のチャンスを作る

料理を残したお客は、何かしら料理に不満を感じた可能性がある。その理由を聞かず、黙ってやりすごしたのでは、結局、お容の不満は解消できない。ならば、お客に料理を残した理由を聞き、もう一度、利用してもらえるチャンスを作る方が得策だ。

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