きっちんぷらす
スチコンレシピ 1201 recipe

Vol.10 待たせないために、“スピード”を追求!?

お客が席が空くのを待っている、料理が提供されるのを待っている…。こうしたお客を待たせる場面では、「遅い」というクレームが発生しやすい。そんなお客の不満を解消するには、とにかくスピードを追求するべきだろうか。あるいは、別の対応も考えた方がよいだろうか。

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とにかくスピードを追求orスピード以外の対応を工夫

 店長が変わると売上がすぐに上がった…。そんな話を聞くことがあるが、それを可能にする店長とは「スピードアップ」が上手な店長だ。オペレーションの改善、営業中の的確な作業指示によって、例えば、客席案内がスムーズになり、料理の提供時間も早くなり、バッシングも上手くいくようになる。そうして作業全体がスピードアップし、結果として追加オーダーがタイミングよくとれたり、テンポよく客席が回転することで、客単価や客数がアップするのだ。それだけ、飲食店においてはスピードも重要な要素となる。
ただし、作業のスピードだけを追求しすぎると、効率化の優先でおいしさが後回しになったり、接客が雑になったりという問題も起こりやすい。とにかくスピードを追求すればよいというものではない。
そして、もう一つ重要なのが、「体感時間」の認識だ。「体感時間」については以前も解説したことがあるが、これは同じ店内にいても、それぞれのお客様、ホールスタッフ、キッチンスタッフによって「時間の感じ方」が違うということである。例えば、忙しく働いているスタッフは時間が経つのを早く感じるが、席が空くのを待っているお客様や、料理を待っているお客様は、逆に時間が経つのを遅く感じる。この「体感時間」の差が原因で「遅い」というクレームになるケースが多いのだ。
これを改善するには、待たせているお客様に対する接客でのフォローが重要になる。席が空くのを待っているお客様には、できる限り正確な待ち時間を伝える努力をするとともに、メニュー表を渡して先にメニュー選びをしてもらったり、場合によってはドリンクをサービスするなどして退屈させない応対が大事になる。提供時間に関しても、時間がかかりそうな料理は、注文時にあらかじめそれを伝えておくという基本的な接客がとても大切だ。
『よろずや食堂』でもスピードアップの検討は大切だが、それだけでなく、接客のフォローを工夫したい。


待っている時間も楽しんでもらうゲームが評判

 焼肉店G店は有名スポーツ選手も訪れる人気店。ただ、この店には問題点があった。提供スピードが遅めなのだ。調理や盛り付けで魅力を高めていて、その分、時間がかかってしまうメニューが多いのである。そこで同店では、待っている時間も楽しんでもらおうと、「ミニゲームバトル大作戦」を実施。スタッフが定期的に席をまわり、トークを交じえながらカードゲームやサイコロゲームなどを行なうのだ。オモチャなどの賞品も進呈し、楽しい店という評判アップにつなげている。

待ち時間を接客でフォロー

席が空くのを待っているお客には、できる限り正確な待ち時間を伝える努力をするとともに、場合によってはドリンクをサービスするなどの応対が必要だ。提供時間も、時間がかかりそうな料理は、注文時にあらかじめそれを伝えておく接客が大切になる。

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