きっちんぷらす
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Vol.5 不振に直面。一発逆転を狙うか?

不振に直面すると、一発逆転の策はないかと考えてしまうもの。一発逆転の売上挽回策が成功すれば、それにこしたことはない。しかし、落し穴もありそうだ。一発逆転の発想でよいのだろうか。それとも、違う発想で売上挽回の戦略を考えるべきなのか。

Vol5
狙うべきor狙うべきではない

 前年比売上ダウン、広告宣伝の反響が鈍い、赤字転落…。そうした状況に直面すると、精神的にも経済的にも追い込まれてしまいやすい。そのため、経営打開策として、とにかく売上大幅アップを夢見て一発逆転ホームランを狙ってしまう経営者が少なくない。
しかし、それはやはり危険だ。現実的に、一発逆転のウルトラCはそうそうあるものではない。一発狙いは極端に言えば、100の成功か、0の失敗かという極端な成否に分かれる。しかも、失敗の可能性が高い。その失敗がさらなる店のイメージダウン、売上減につながってしまうケースも少なくないのだ。一発狙いは、とうてい、おすすめすることはできない発想である。
 それよりも、複数の戦略で売上挽回を狙い、リスクを分散させる方法をおすすめする。『よろずや食堂』の場合で言えば、月200人の客数挽回が目標であるが、これを一つの戦略で挽回しようとするのではなく、複数の戦略で挽回することを目指すのだ。
その例として紹介したのが下の図表である。30人増やす戦略から2人増やす戦略まで複数の戦略で、合計200人の挽回を目指すのである。もちろん、数字はあくまでも目安でしかないが、このように目標数字の規模から発想することで、比較的、大掛かりな戦略から、小さな戦略までしっかりと検討したい。


目標数字を明確にして成功。「1人・20人キャッチ作戦」

 Y店は地方都市の商店街の中にある居酒屋である。開業5年目に入り、売上が前年比15%ダウンになっていた。今年に入り、危機感を感じた店長は、チラシを中心に割引キャンペーンを実施。しかし、その効果は費用に見合わないものであった。
そこで、月100名のお客様アップを計画した。名付けて「1人・20人キャッチ作戦」。これは、中心スタッフ5人が、それぞれ20人ずつお客様を増やすというもの。サンキューレターを書くスタッフから、店頭でキャッチするスタッフまで、方法は様々だったが、目標数字が明確になることによって、全員が20人以上を達成した。

リスク分散の複数戦略を!

売上挽回策で、一発逆転のウルトラCは、そうそうあるものではない。一発逆転を狙ったら大失敗し、さらに大きな痛手を負ってしまうというケースが少なくない。それよりも、複数の戦略で売上挽回を狙い、リスクを分散させる方法をまず検討したい。

vol.4 仕事の与え方

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